それでは、各段階の内容を紹介しましょう。
当会で教授されている拳術を紹介します。便宜的に(社)日本武術太極拳連盟の分類に沿う形にします。
形意拳
起源を明末清初の頃とし、300年以上の歴史を持つ拳法。質実剛健な風格であり、強力な発勁のシステムを有している。
蟷螂拳
清朝初期(17世紀後半)山東省において王郎が創始したと伝えられる。中国北派拳術の精華を集めたと言われ、緻密な手法、歩法、短打法を用いる。
四路査拳
中国の回族に古くから伝わる。現代長拳のベースとなっており、伸びやかな身法、腿法を用いる。当会の拳術班は最初の一年間はこの拳法を中心に練習します。
伝統器械
八卦七星竿
床から眉の高さに達する竿を用いる八卦掌の武器術。本来は中空にした七節の竹に水銀を封入して用いる点穴用の暗器だという。
鞭杵
中国西北部の羊飼いが用いる杖を武器としたもの。基本功、套路、対練が整理されている。当会では簡化24式太極鞭杵、進退八法、その他の型を練習する。
九節鞭
鉄製の鎖状兵器。暗器である。
※その他に大杵子、刀剣棍槍、各種の拳術に付随して兵器がある(木蘭拳の扇子など)
簡化24式太極拳
1956年、李天驥老師の創編による入門用の型。楊式太極拳をベースとして、重心の移動を大きくし、運動効果を高め学びやすくする工夫がなされている。国内では最も普及している。
48式総合太極拳
1976年に発表された。伝統の太極拳五流派の技を配合し総合型としてある。
88式太極拳
古典的な楊式の套路を24式の風格で再編成してある。
42式総合太極拳
1989年に発表された。48式と同じ考えで創られているが、より競技性が強まっている。
32式太極剣
楊式太極剣を学び易いように簡略化した型。
42式太極剣
楊式をベースとして、陳式の発勁動作などが加味されている。
武当太極剣
湖北省武当山に発するという道士の剣術「武当剣」と太極剣を融合させたもの。
楊式太極剣
32式太極剣の原型
楊式太極拳
楊家三代宗帥、楊澄甫が1930年代にまとめた85式を教授している。現在普及している簡化24式太極拳の母体となっている型である。武術本来の功夫が獲得でき、推手などへの応用も可能である。内功(気功)としても優れている。
武式太極拳
武禹襄が楊露禅に学んだ後、陳清萍の趙堡架式を学び、さらに創意工夫を加えて成立した太極拳で、精巧、緻密な動きが特徴。なお、裕福な家庭に生まれ教養人であった武禹襄は、太極拳の理論化に大きく貢献した。
99式双辺太極拳
1930年代中華民国の首都は南京であり、軍部が後押しする武術学校があった。南京中央国術館である。当時副館長であった陳泮嶺は太極拳(呉式、陳式)と形意拳の融合を図り、99式双辺太極拳を完成させた。
当時の緊迫した政治情勢の中で創られた99式は、太極拳の技撃の精華を集約し、それを形意拳の勁で強化するという意図がうかがえる。
長拳
競技、および青少年や初学者の育成を目的として、査拳、華拳、少林拳などの北派武術をベースに近年編纂された武術です。動作が伸びやかで速く、跳躍動作が多く含まれており、美しいだけでなく身体能力をバランス良く鍛えることができます。
各拳法に応じた打人法、推手など。